耐震工事には様々な種類があります。その効果については工事の組み合わせにより差が出ますが、各行政機関が補助金の対象とする上部構造評点を1.0以上にするためには、一般的に数百万円の金額が必要となります。
しかし、当サイトで何度もお伝えしていますように、とにかく家が倒れず家族の命だけは守りたいと考えるなら、「柱のほぞ抜け」を防ぐための工事だけをしっかりやればよいのです。柱のほぞ抜けさえ起きなければ、家の倒壊の約7割は防げるからです。
ご参考に、一般的なリフォーム会社が提案する耐震補強工事には、下記のような種類があります。
- 耐力壁の増設
-
外壁や内壁に筋交いや構造用合板を追加し耐力壁を増設します。
耐力壁等により耐震性が高くなった住宅は、地震により柱が抜けようとする力も大きくなりますので、ホールダウン金物の同時設置が必須といえます。外壁
屋外側から筋交いや構造用合板で補強(外壁仕上げ工事を含む)
外壁を壊す必要があるので費用が高額となります。内壁
押入れや室内側から筋交いや構造用合板で補強(内装仕上げ工事を含む)
内壁を壊す必要があるので費用が高額となります。
- 屋根の軽量化
-
瓦などの重い屋根から軽い金属葺に替えることで、建物にかかる水平力を減らすことができます。
一般的には、屋根の軽量化よりもホールダウン金物によるほぞ抜け防止のほうが耐震補強としてのコストが安く済むため、屋根が傷んでいたり雨漏りがする場合に軽量化を考えた補修が良いと思われます。
- 基礎の改修
-
鉄筋コンクリートの基礎を増し打ち補強したり、ひび割れを補修します。
補強
既存基礎の内側又は外側に鉄筋コンクリートの基礎を増し打ちします。
新たに基礎を増設する場合は、増し打ち補強に比べて単価が上がります。補修
ひび割れ部分にエポキシ樹脂を注入し補修します。鉄筋による補強に比べ安価で耐震化できます。
基礎補強SRC
- 接合金物の設置
-
壁の補強に併せて金物を設置することで効果的な耐震補強となります。
ただし、耐震壁の設置については費用が高額となります。筋交い金物
筋交いの上下両端を接合金物で固定します。筋交いの取り付く形状や強度によりボックスタイプやプレートタイプがあります。壁を壊す必要があり、費用が高額になります。
火打ち金物
2階床組みや小屋組みの隅部を斜めに連結して変形を抑えます。費用が高額となります。
ホールダウン金物
土台や梁から柱が抜けないようにホールダウン金物で固定します。壁を壊す場合には費用が高額となります。
出来るだけ安く 料金プラン
下記の表は、木耐協監修『木造住宅 耐震百科』より、耐震工事の種類ごとでの費用と優先度について掲載しています。